私は今までに生命の危険に陥るようなひどい事故をしたことがあります。
まだ、仕事入って３年目の夏でした。
その時、やはり、見ず知らずの人に助けてもらって、今無事に生きているようなものです。
あの時、野次馬の人だけで誰も助けてくれなかったら、私は確実に死んでいました。
自爆の交通事故で、頭から大量の出血で、はじめ「やってしまった！」と思った時、
座っている私のひざにどんどん血がたまっていきました。
「どうしよう、職場に電話しなきゃ！(通勤途中だったので）」
なんてことを思ったのを覚えています。
でも、このまま死んじゃうのかな･･･
目に血が入ったら大変だから目をつぶろう。(ほんとにそうなのかわかりませんが）
少しすると、誰かが来てくれました。
「大丈夫？救急車は連絡したからね。頭のところにタオルを当てようね・・・」
と、止血をしてくれました。
とても、やさしかった。
目はつぶったままだったので、誰かわかりませんが
そのまま、私といてくれました。
救急車を待つ間、野次馬の声が聞こえてきました。
「かわいそうにね・・・女の子なのに・・・」
どういうこと？実際にものすごい大量の出血で顔を中心に
怪我をしたので、いわれたのだと思いますが、私にはとてもつらい一言でした。
救急隊がきて、救急車で運ばれ、
手術室までストレッチャーに乗せられて行く間も、
「わぁ！すごいなぁ・・・。」「かわいそうだなぁ」
そんな声ばかりでした。
手術室で看護婦さんに「どこに連絡しますか？」と聞かれ
「職場に・・・」と言ったら怒られました。
家の電話番号も思い出せなかった。
持ち物から家に電話をかけてもらい、動転した母は、兄に「危篤」と電話をし、
まぁ、これはいろいろあったのですが・・・・。
手術も終わって処置室で寝かされているとき、
まだ、私は目のあたりもガーゼでよく見えなかったのですが
誰かが来てくれました。
それは、通報者でもあり、私の応急手当をしてくれた
事故現場のすぐ近くの床屋さんのご主人でした。
毎朝、私がそこを通っているのを、床やさんなので洗濯物をたくさん干しているとき見ていたそうで
娘さんと私がだぶっていたそうで、ご夫婦で、いつも「今日も通ったよ・・・」
と、気にかけていてくれたそうです。
その日も「ガシャーン！」と音がして、
のぞいてみると私の車がつぶれていて、「かあさん！あのこだよ！」
といち早く駆けつけてくれたそうです。
私は、顔をフロントガラスに突っ込み(シートベルトをしていませんでした）
メガネのフレームでたくさん切ってしまい大量出血。そして、頭を強く打ったため
脳圧が高まって非常に危険な状態で、１ヶ月ほど入院しました。
あの時、誰も来てくれなかったら・・・。
あの時、声をかけつづけてくれなかったら・・・・。
きっと、ものすごいパニックになっていたと思います。
そして、きっと、大量の出血と脳圧が高まって
そのまま死んでいたでしょう。
無事に退院して、一番に床屋さんに行きました。
まだ、傷が生々しくて、「大変だったね・・・」と慰められてしまいました。
その場にいた床屋さんの処置のおかげで
助かった私です。
きっと、救急車の手配がおくれた場合、
あの時、止血をしてくれなかったら、
あの時、やさしく声をかけてくれなかったら・・・と思うと
私も、そういうことに遭遇したとき何ができるのかな・・・と思うのです。
もちろん、事故後、シートベルトは必ず締める、絶対にわき見運転はしない・・・
と、心に決めています(笑）
2001/2/24